10月から最低賃金が変わります

2022年8月23日、2022年度の地域別最低賃金の改定額が公表されました。

改定後の最低賃金額で最も高いのは東京都の1,072円、最も低いのは沖縄県などで853円となっています。

引き上げ幅が最も高かったのは岩手県、鳥取県、島根県、高知県、沖縄県で33円の引き上げでした。

最低賃金とは?

最低賃金制度とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないとする制度です。

労働者、使用者双方の合意の上で最低賃金額より低い賃金を定めても、法律によって無効となり、最低賃金額と同額の定めをしたものとされます。

罰則があるのか?

最低賃金未満の賃金しか支払わなかった場合には、最低賃金額との差額を支払わなくてはなりません。

地域別最低賃金額を下回っていた場合には、最低賃金法に罰則(50万円以下の罰金)が定められ、

特定(産業別)最低賃金額を下回っていた場合には、労働基準法に罰則(30万円以下の罰金)が定められています。

最低賃金の確認の方法

最低賃金は時間が単位であるため、「時給」で確認します。

時給制についてはチェックが簡単ですが、例えば月給制の場合、賃金を時給に換算して確認します。

 月給÷1ヵ月平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額)

1ヵ月平均所定労働時間とは、以下のように算出します。

 365-年間休日数×1日の所定労働時間÷12

 ※1年の起算日は会社が定めたものになります

例えば、東京都の場合、年間休日122日、所定労働時間7.5時間の事業所において、

月給16万円は最低賃金1,072円を下回ってしまうことになります。

下回ってしまった場合

10月以降に支払う賃金額を見直します。

賃金算定期間の途中に発効日がある場合、発効日以降は改定後の最低賃金額以上の賃金を支払う必要があります。

例えば、発効日が10月1日、賃金計算期間が21日から翌月20日の場合、10月分(9/21~10/20)の賃金は分けて計算する必要があります。

また、就業規則や賃金規程に定めがあるときは、規程の改定も必要になります。

まとめ

最低賃金は地域ごとに定められています。毎年10月の改定時期だけでなく、例えば事業所が県をまたいで移転した場合等もチェックが必要です。

最低賃金については、働き方改革実行計画において、「年率3%程度を目途として、全国加重平均が1,000円になることを目指す。

このような最低賃金の引き上げに向けて、中小企業、小規模事業者の生産性向上等のための支援や取引条件の改善を図る。」とされています。

2022年は全国加重平均961円、引き上げ幅は過去最大となりましたが、今後も最低賃金は上昇することが予想され、

企業における生産性向上への取り組みは必須になります。

事業場内の最低賃金を一定額以上引き上げ、要件を満たせば活用できる助成金もあります。

最低賃金の見直しが必要な企業は、国の支援制度を活用するなどして適切な対応をしましょう。(社会保険労務士 若松 春奈)